なぜ今「医療ツーリズム」なのか 長崎だからこそ狙える医療分野
住吉:続いての柱となるのが医療です。

長崎は西洋医学発祥の地として知られ、最新鋭のBSL-4施設や熱帯医学研究所など、世界トップクラスの感染症研究機関が集積しています。
一方で、人口減少に伴う患者数の減少や、医療機能の重複といった構造的な課題も抱えています。

提言書では、医療分野の新たな価値創造と収益構造の再設計の必要性を指摘しています。
その中で、「医療ツーリズム」という言葉がありました。これはどういったものなのでしょうか。

平家:医療ツーリズムは、優れた医療技術と長崎の観光を組み合わせて、海外の富裕層を呼び込むものです。世界で見ると、約10兆円の巨大市場で、渡航人数は2000万人を超えています。
住吉:大きな市場ですね。

平家:しかし、日本への医療渡航者は年間2〜3万人にとどまっています。
さらに長崎県内では、受け入れ認証を受けている医療機関が現在1つもないのが実情です。

提言では、まず感染症研究の面で、BSL-4施設を核とした感染症研究の国際的な拠点を形成し、「医療クラスター長崎」を実現することを掲げています。
そして医療ツーリズムについても、多言語対応や医療通訳の確保といった課題を、医療機関単独ではなく官民一体となって解決し、地域ぐるみでプロモーションや受け入れ体制を整備していくべきだと提言しています。
長崎の観光資源と医療資源が連携すれば、長崎ならではの医療ツーリズムを展開できますし、医療機関にとっても医療資源の余剰化を克服し、持続可能な地域医療の実現につながると思います。
官民一体で受け入れ体制を
住吉:具体的な数字を見ると、いかにチャンスを逃しているのかが分かりますが、一方で可能性もあるということですね。
平家:そうですね。そして、その可能性をさらに広げる鍵になるのがカーボンニュートラルです。











