シリーズでお伝えしている2022長崎この1年。3回目の今日は『経済』です。
社会情勢が刻々と変化する中、長崎経済に何が起きていたのか?
3年目に突入したコロナ禍での長崎経済の動きについて、平家 達史NBC論説委員が解説します。

平家 達史 NBC論説委員:
「私の考えることしの漢字1字は“変”です」
平家さんはこの1年を、様々な要因から『変』化の多い年だったと振り返ります。

平家 委員:
「社会経済の環境“変”化に振り回された1年だったと思います」
■ 経済に一番影響を与えた“変”

長崎大学病院・森内 浩幸 教授:「ウイルスが変異していくにつれて…」

大石 長崎県知事:「変異株を前提とした…」

長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科長・北 潔 教授「変異株がこようとも」
新型コロナ“変”異株です。

(1月4日の会見)長崎県 福祉保健部 寺原 朋裕 部長:
「2名の方がオミクロン株であることが判明しました」
年が明けてすぐ、感染拡大の『第6波』がやってきました。

中村 法道 知事(当時):
「県下全域に重点措置を講じて参りたいと考えております」
1月、経済活動を制限する『まん延防止等重点措置』が、県内全域に初めて適用され、飲食店には“営業時間短縮”と“酒類の提供停止”が求められました。


(『まん延防止等重点措置』中の街の様子)

飲食店経営者:
「お酒の提供もできないので…ほとんど収入が見込めないので正直厳しいですね」
■ 世界情勢の“変”化
2月ロシアのウクライナ侵攻により、小麦や原油の価格が高騰。


ガソリン価格は1リットルあたり180円代に突入しました。
■ コロナ対策の“変”化
このころからコロナへの対策も変わり始めました。

大石長崎県知事:
「まん延防止等重点措置につきましては、本県ではさらなる延長はしない」

ゴールデンウィーク── 特急かもめの予約状況は去年の2倍。

コロナ対策と経済活動の両立を目指すとして、3年ぶりに行動制限がない大型連休となり、観光地を訪れた人の数はコロナ前の6割にまで回復しました。


土産物店:
「期待してます」
「感染対策をしっかりしながら、来ていただいたお客様に楽しんでいただける様に一番楽しんでいただけるように」

波佐見陶器まつりでは──

店員:「いらっしゃいませ。2022年波佐見陶器市、初日。ぜひ見てください」

各地の恒例イベントが3年ぶりに開催され、県内経済に明るい兆しが見えてきました。しかし、別の問題が影を落とします。
■ 円安と物価上昇での価格“変”動

一時、1ドル150円台となり、およそ32年ぶりの円安水準。


市民は大きな価格『変動』に直面することになりました。

飲食店 店員:「仕入れ値的には20~30%ぐらい上がってまして」

市民:「電気代とかガス代含めて…またこれから暖房かかるから痛いですね」

物価高に対応するため、県内の最低賃金は821円から853円へ引き上げられ、32円上昇。

一方で、県内経済を支えてきた老舗企業『お茶の山口園』や練り製品製造販売『まるなか本舗』、洋菓子製造販売『お菓子の店アリタ』などが相次いで倒産するという異“変”もおきました。

平家 委員:
「2年を超えるコロナの影響というのは、じわじわと企業の体力を奪っていったって言うのが実際のところでありまして。それが今年吹き出したかなと」