なぜ長崎だけが苦戦するのか

九州全体が活況を呈する中で、なぜ長崎県だけが取り残されているのか。東京商工リサーチ長崎支店は、その背景に長崎特有の「地理的条件」と「産業構造」の弱さがあるといいます。

平地が少なく、本土最西端に位置する長崎県は、物流コストなどの面から大規模な製造業の立地が進みにくく、それを支える中小企業の集積も他県に比べて弱いという構造的な課題があります。加えて、同支店は、直近の業績低迷には以下の3つの複合的な要因が影響していると分析します。

1つ目は「特需の終焉」です。長崎駅周辺やスタジアムシティなど、“100年に一度”と言われた再開発による建設ラッシュが2024年秋のスタジアムシティ開業を機に一巡し、建設関連需要が落ち着きを見せていること。

2つ目は「価格転嫁の遅れ」です。県内経済は人件費率が高い観光業などの第3次産業への依存度が高いものの、コスト上昇分を十分に価格に転嫁できておらず、収益を圧迫しています。

そして3つ目が「人口減少による消費縮小」です。全国トップクラスのスピードで人口減少が進む中、特に購買意欲の高い若年層が県外へ流出しており、これが個人消費の弱さにつながっているとみられます。