先月で開業から丸1年を迎えたMICE施設「出島メッセ長崎」です。

MICEとは企業による会議や研修旅行のほか、国際会議や展示会などを意味する英語《Meeting・Incentive travel・Convension Conference・Exhibition》の頭文字で作った造語で、『出島メッセ長崎』はその誘致を目的に、長崎市尾上町に作られました。
開業後1年間の利用実績と今後の課題について取材しました。

■ 交流人口の増大めざし 初年度の目標は“61万人の利用”

長崎市が総事業費216億円をかけてJR長崎駅西口に建設したMICE施設『出島メッセ長崎』

『学会』などの大きな会議はもちろん『eスポーツ大会』や『モーターショー』など様々なイベントに対応可能な施設です。

田上富久長崎市長:「ここに長崎駅西口のまちびらきを宣言します」

『出島メッセ長崎』は、人口減少が進む中『交流人口』を増やし『まちの活性化』に繋げようと2021年11月に開業。

館内には大小24の会議室のほか、長崎県内最大規模となる3,800平方メートル(テニスコート15面分)のイベントホールも備えています。
開業から“1年間で61万人の利用” が目標でした。

■ 学会の利用が伸び悩む一方 イベントは目標の140%超

長崎市は、11月22日、出島メッセ長崎の開業一年間の利用状況について発表しました。

観光交流推進室 浦川 信一室長:「達成率は109%となりました」

“密を避ける”ことが求められた『コロナ禍での開業』で、学会などはオンライン併用も多くなり、目標の19%の9,752人(2022年10月まで)に留まり、一般の会議利用者も目標の半分の78,168人と来場者数は伸び悩びました。

一方、ことし10月に開催された『ながさき大くんち展』には6万人以上が訪れるなど、イベント展示は好調に推移し、目標の143%の575,898人に達しました。

これにより全体の来場者は66万3千人を突破。市が掲げていた目標を5万人あまり上回りました。

観光交流推進室 浦川 信一室長:
「当初の目標だった“学会の5万人”にこだわらず、イベントであるとか展示とかそういうものに誘致の重き・方針を変えていったというのが功を奏した」

また、長崎市では経済波及効果についても、目標を11億円上回る、125億円と分析しています。