被爆地域外で降り注いだ「黒い雨」の記憶

広島では裁判を機に7千人を超える「黒い雨」体験者が被爆地域に関わらず被爆者と認められました。(今年6月末現在)
長崎では「被爆地域以外で“雨”が降った客観的証拠がない」とされています。

爆心地から10.5キロ──旧古賀村、現在の長崎市船石町。陶山光子さんは体験者区域で「黒い雨」を浴びました。

被爆体験者・陶山光子さん(88)「ここ、ここで雨が。ともかく、どす黒か雨で全部ぬれて、靴まで捨てるような状況やったんですから。頭の毛がまんまる抜けた。脱毛。何人もおりますよ、がんで亡くなったり、若い時に。5年生の女の子も亡くなったしね。実際のことですから」

体験者区域よりも遠く大村湾で「黒い雨」を浴びたと証言する人もいます。福田末廣さん。お昼ご飯を食べて友達と泳いでいた時でした。

福田末廣さん(89)「ススの混じった雨が降ってきたわけですよ。最終的にはザーッと降った。みんな真っ黒けっけ。証拠は(自分の証言が)あるんだよ」

30キロ以上離れた雲仙市小浜でも「雨」の証言。黒くヌルついた雨粒でした。

本多喬さん(84)「パラパラくらいの雨だった。天気のよかとに真っ黒なったという感覚を覚えてますね」