長崎大学などが進めているプロジェクトの一環で、卵からの完全養殖実現に向けた研究で育てられたブリの試食・販売が、このほど長崎市のスーパーで行われました。

スーパーに陳列されたブリの切り身。

五島で採取した卵を長崎市の高島水産研究所で約1年3か月かけて育て、2キロほどに成長した「はじまりのブリ」です。

この取り組みは、長崎の水産業の活性化などを目的に長崎大学が中心となって進める産官学連携プロジェクト「ながさきBLUEエコノミー」の一環で、卵から成魚、そして次の世代へと続く「完全養殖サイクル」を目指し研究が進められています。

「はじまりのブリ」は、その一期生となるブリで、長崎大学によりますと研究所で陸上養殖されたブリは冬の旬の時期並みに脂が乗っていて、試食した客からは味の良さを評価する声が聞かれました。

ブリは世界的にも人気が高まっていて、プロジェクトでは研究を重ねて完全養殖技術を確立し、「JAPAN鰤」として海外へ輸出することも視野に入れています。

ながさきBLUEエコノミー・征矢野清プロジェクトリーダー「この先JAPAN鰤として世界にブリを売っていくっていう中で、一番最初にこれが我々が育て始めた子たちなので、それがようやくここまで来たということの思いを込めて『はじまりのブリ』と名付けました」

「養殖をもっと技術を上げていって、これを長崎の一つの産業の武器にしたいということと、温暖化で魚が難しくなってきているので、我々つくっってますけど今の技術だけでは足りなくて、より多くの知見や分野の違う方々にも入ってもらって『温暖化しようが何しようが美味しい魚できるぞ』というものをこれからつくっていきたい」