出生数の減少に、歯止めがかからない。1人の女性が出産する子どもの数の指標=合計特殊出生率は、2023年に過去最低の「1.20」となった。結婚をしない選択、晩婚化に伴う出産年齢の高齢化など、背景にはさまざまな要因がある。その一つにあげられるのが「出産時の痛みに対する不安」。東京都は2025年10月から、無痛分娩に「最大10万円」の助成を行う方針を発表、少子化対策の一環として期待されている。「出産=痛くて当然」という固定観念を見直し、安心して産める環境づくりは今後広がるのか。
最初の出産は43時間
30代で第1子出産:
「初産だったからか…陣痛の時間が長すぎて、精神的にも肉体的にもつらかったことしか覚えていません。あの長い痛みを思い出すだけで、気が遠くなりそうで、第2子がほしいとは到底思えなかった」

30代で第一子を出産した女性。陣痛~出産までに43時間半かかった。痛みで食事も睡眠もとれずに、ほぼ2日間徹夜での出産だった。
第1子が3歳を過ぎた頃、第2子を考えるようになった。しかし、あの痛みと向き合うのは、もう無理・・・その頃、知ったのが「無痛分娩」という選択だった。