「行為にこだわる」気持ちの正体とは

不満が既に嫌悪感にまで膨れ上がってしまった夫婦が、もう一度気持ちを通わせることはできるのか?

夫婦関係専門カウンセラー・松尾聡子さん:
「『したくない…』と相談してくる方は『一生しなくてもいい』って思ってる人が多いんです。今までずっと我慢して日々を過ごしてたわけですから。一方で、断られた側も『セックスさえできればいい』と思ってる人はほとんどいない。なのになぜ行為にこだわるかー。『拒否するということは自分のことが好きではない』という思い違いがある」

「触れたい」という気持ち

「会話を重ねて、お互いが一番の味方になった時、『触れたいな』という思いに変わる方は多い。また、断られていた方は相手からの愛が感じられれば、行為へのこだわりがなくなることもあります」

「最初に「心と心の結びつき」を作ること。しっかり向き合うこと。行為だけをゴールにしているうちは、絶対にその境地にはたどり着きません。だから、どちらかが我慢する・妥協点を探す、のではなく、2人が納得できる愛の形を見つけていこうよ、ということです」

我慢の先に解決なし

夫婦関係専門カウンセラー・松尾聡子さん:
「拒否する側も、拒否される側も、どちらもとても優しくて、相手をとても大事に思っている方がほとんどです。相手を傷つけたくない、でも、今のままだと自分が傷ついてつらいーとお互いに苦しんでいる。本当は仲良くしたいのに、方法がわからない」

「なんでできなくなっちゃったのか?まず考えること。我慢しているうちにいつの間にか相手のことをまた好きになっていたーなんてことは聞いた事がない。原因を見つけて、一緒に解決していく。赤の他人同士が惹かれ合って愛し合って生まれた夫婦。言葉を重ねて、気持ちを通わせて、それぞれの心地よい関係を探していく、そこに我慢や妥協ではない解決策があります」

《松尾聡子さん》・夫婦関係専カウンセラー・長崎カウンセリングサロン「LePort」代表・自身も夫婦関係や子育てに悩んだ経験を持つ。長崎と東京の2拠点で相談に応じる。書籍『もう、洗面室に鍵はかけない』(みらいパブリッシング)を2024年8月に発刊。