最後は視力まで
声を失い、学校に通うこともできず、病院で過ごすことを余儀なくされた律子さん。最後には視力まで奪われ、44年の生涯を終えました。

横山照子さん(83):
「…神様、私の視力までとってしまうんですかって…どうして神様、私の視力までとってしまうんですかって」
「ヘレンケラーは三重苦だったけど、私は何重苦だろうー何の罰を受けてるんだろうかって…。そう言われた時、私は胸がつぶれそうでした…」
妹と両親が眠る墓へ
「たくさん飲んでください」
この日、横山さんは、ノーベル平和賞の受賞後、初めて律子さんと両親の眠る墓を訪れました。

横山照子さん(83):
「…妹にはちっとも楽しい思い出がなかったような気がしていて…。でも今、両親のもとに行ってほっとしてるんじゃないかなと思うんです」
墓前で、横山さんは語りかけました。
「あなたを苦しめた原爆を、今なくそうとみんなが頑張っているんだよ。世界の人たちが立ち上がってくれたよ…(涙)」
被爆80年 妹への思いを胸に

「またくるね」
被爆から80年。人の命だけでなく、生きる希望や未来までも奪う核兵器。妹の健康を尊厳を命を奪った核兵器の廃絶を、横山さんは訴え続けています。