マイコプラズマ肺炎の流行が続いています。長引く咳や発熱などが特徴で、特に子どもの感染が多いこの病気。しかし、検査で陰性が出ても実際は感染している可能性があると指摘されています。流行の背景には、コロナ禍での抗体保有者の減少や新たな株の出現などが考えられています。医師に症状の特徴や検査の難しさ、対策について詳しく聞きました。

「陰性」…なのに続く症状

小学2年生の女児。咳が続く症状がみられ病院を受診し、新型コロナ、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎の検査を受けたが、いずれも陰性であった。しかしその後も咳が1週間を超えて続き、発熱もあり、症状が治まるまでに2週間以上かかった。

女児が回復して数日後、中学生の姉に同様の症状が現れた。病院を受診し検査を受けたところ、再びすべて陰性であった。医師からは「検査結果には出ていないが、マイコプラズマ肺炎とみられる」との診断を受けた。姉も妹と同じく、発熱としつこい咳が続いた。

医師に聞く

マイコプラズマ肺炎は検査で分かりづらいのでしょうか?長崎県医師会に問い合わせたところ2人の医師が多忙な業務の合間を縫って対応して下さった。

回答者:
佐世保市総合医療センター呼吸器内科管理診療部長 福田雄一医師
長崎県医師会 常任理事 米満伸久医師

どんな病気?

【回答】
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。14歳以下の小児や若い患者さんが約80%を占めていますが、成人でも発症します。マイコプラズマ肺炎は1年を通じてみられますが、秋冬に増加する傾向があります。