発足から12年が経った長崎サミットは、長崎経済同友会、長崎商工会議所などの『民間4団体』と『県』『長崎市』『長崎大学』の合わせて7団体のトップが一堂に会し、”長崎の活性化策”について議論を重ねてきました。
会議のきっかけは、地元経済界の”人口減少”への危機感でしたが、長崎市では人口流出に歯止めがかかりません。
先月、24回目が開催された「長崎サミット」。
最新の取り組みと見えてきた課題とは──

8月22日に開かれた長崎サミットでは「医療」「海洋」「デジタル」の3分野を次世代の成長産業の有力候補に位置づけたほか、西九州新幹線開業を契機に人口700万人にのぼる長崎・佐賀・福岡3県の連携強化の必要性が示されました。

長崎商工会議所 宮脇 雅俊 会頭:
「遠くから長崎だけ一県に来ることは難しい話で『面』での北部九州の魅力が出てくる。交通の利便性が高まることは、長崎の観光客が結果的に増えることにつながってくるだろう」
■「このままでは長崎はどうにもならん」行動を起こす

第1回のサミットが開かれたのは、いまから12年前──
将来の ”人口減少” に経済界が危機感を抱いたのがきっかけでした。

長崎商工会議所 松藤 悟 会頭(当時):
「私ども民間の経済団体としては、このままでは長崎はどうにもならんと、とにかく何か行動を起こして変えていこうと」

サミットから生まれた取り組みは多岐にわたります。
2013年 JR長崎駅で開かれたイベント 司会者:「葉加瀬太郎さんです!!」

ヴァイオリニスト葉加瀬 太郎さん:
「(この曲を)長崎夜曲(ながさきやきょく)と名付けました」

特に観光の分野では、夜景のプロモーションなどが功を奏し、2020年までの目標としていた ”長崎市の年間観光客数700万人” を2017年には前倒しで達成しました。
※2017年実績…706万人
長崎サミットで生まれたアイデアを実践に移している長崎都市経営推進会議。
小川さんは2年前から議長を務めています。

長崎都市経営推進会議 小川 洋 議長:
「長崎の ”今、持っているもの” をいかに使って、他の地域との競争に、いかに負けないかということを考えていきたい。我々にとっても ”正念場の会議” が続くんじゃないかと思います」

長崎サミットで、観光への効果が出る一方で、長崎市の推計人口は40万人を割り込むなど、本来の目的である ”人口減少対策” は道半ばです。

長崎都市経営推進会議 小川 洋 議長:
「我々の責任もあったと思いますけども。長崎に戻ってきたいという若者はいっぱいいるんですけど、それを受け入れる器をつくれなかった。
新たな長崎における主役を作っていかないと。何と言っても住みたい町にするには ”働く場所” が必要だと思いますので」