長崎選挙区の区割り変更で新3区の争点となった有人国境離島法

今回区割りの変更に伴い、佐世保市など旧長崎4区に、東彼3町、五島市、新上五島町、小値賀町が加わった長崎3区。離島を抱える選挙区になります。

今回の選挙で注目されているのが有人国境離島法。

五島列島などの島民に対する渡航費や物流の支援の根拠となる法律ですが、あと2年余りで期限切れを迎えます。

金子候補がやってきたのは五島市の福江島です。金子候補は自民党政権下で始まった有人国境離島法の延長は、自らの責任と位置づけます。

(金子候補)「離島を有する県の国会議員はそんなに数多くないんです。国境離島新法、国境離島法の延長・拡充を必ず実現させていくと」

農水産業従事者への補償制度を訴える末次候補は、離島における有人国境離島法の重要性を強調したうえで、法律の延長は当然のことであり、むしろ更なる拡充を進めるべきだと主張します。

(末次候補)「国境離島新法、これらをもっと活用していくべきじゃないかと。予算もやはり1桁上げるぐらいの、よりバージョンアップした新法に、改正法にすべきだと私は思います」

金子・末次両候補は一年前の補欠選挙で接戦を繰り広げました。そこに、今回の選挙区の変更がどう影響するのか。元TBS政治部長の龍崎孝さんは特に競り合った選挙戦では区割り変更が不確定要素になる可能性があるといいます。

(龍崎孝さん)「候補者からすれば選挙区が変わるんですけど、選挙区にいる人からすれば、候補者が支持する政治家が急に変わってしまうということなんですね。そこに対する戸惑いとか、投票行動に向かうモチベーションって言いますか動機、これがですね、ある意味突然失われるわけですよね。いわゆる候補者の顔が浮かばないとですね、なかなか投票に行かない。こういうことが起きてくる可能性がある」

離島振興は国防にも直結する問題と位置付ける井上候補。今回拡大した選挙区への対応などから個人演説会は開かず連日YouTubeでの生配信で自身の考えを伝え広い世代に支持を訴えます。

(井上候補)「多く接することができない方々で、私の演説を聞いてみたいとか、どんなこと考えてるのかっていうの知りたいってなった時に、若い人だけではなくて高齢者の方にもリーチできるツールだろうなというふうに考えてます」

佐世保を大票田とする長崎3区。旧長崎4区時代から自民と立憲両候補の接戦が続いてきた選挙区では今回、区割りの変更や維新の候補も加わったことで、新たな構図での選挙戦が続いています。