”宮司のセクハラ問題”や”新型コロナ”などで3年連続で繰り延べとなった長崎くんちの奉納踊。諏訪神社の氏子の代表らが、9日、長崎くんちに関する報告会を開き、『来年の奉納踊を実施する』方針を決めました。

常任総代 年番幹事町 中川 進吾さん:
「来年のくんちをやろうということを今決断をして、皆さんに集まっていただいた次第であります」


氏子の代表らは、奉納踊を行う条件として、諏訪神社宮司に対しセクハラ被害者への謝罪と辞任を求めていましたが、これまで60回以上の会議を重ねる中で、来年については『宮司が辞任する・しない』に関わらず、奉納踊を実施する方針を決めたということです。

これについて各踊町や神輿守町の代表らからは、賛同する声があがる一方、神輿を所有するのが諏訪神社であることから、お上り・お下りを行うことができるのかといった不安の声もきかれました。


踊町(昭平会 総代) 小野原 卓嗣 さん:
「とにかくくんちはしたい。そのためにはどうしても、神職、いわゆる宮司さんが魂を入れんばいかんことがいっぱいあるわけよね。そこのところをどうクリアしていくかを今から(検討していく必要がある)。本当に大変だと思います」

氏子らは今年11月末までに、具体的な実施方法について方針を固めたいとしています。

一方、諏訪神社の宮司は、宮司からセクハラ被害を受けたとして裁判を起こした女性職員と禰宜2人に対し、300万円の損害賠償と謝罪広告を求める訴えを9日、長崎地裁に起こしました。

訴状によると、被告の女性職員と禰宜は「宮司が女性を抱き寄せキスをしようとした」とするセクハラ問題を世間に広め、社会的地位を低下させたとして名誉棄損に当たるとしています。

永田 雅英 弁護士:
「今回、虚偽の事実が公表されて宮司の名誉と諏訪神社の名誉が侵害されていると。諏訪神社を巡る問題が正常化することを目的に今回裁判を起こしております」

諏訪神社では ”日常的なパワハラがあった” として権禰宜7人が、上司である2人の禰宜を訴えた裁判も係争中で、諏訪神社を巡る裁判は、今回が3件目になります。