ちょっとひととき…懐かしい “昭和の長崎”を感じてみてください。
NBCライブラリーに残る映像で振り返ります。
今からちょうど60年前、長崎県の島原港と熊本県三角港を結ぶフェリーが就航した話題です。

長崎県島原市と熊本県熊本市は直線距離はそれほど遠くなく、天気が良ければお互いの街を視認できるほどなのですが、その間には有明海が横たわっています。

島原港と熊本県三角港を1時間で結ぶフェリーが就航したのは、1964(昭和39)年3月でした。


当時はまだ熊本港が開港しておらず、熊本市近郊の最寄り港は三角でした。

この船は九州商船の「眉山丸」690トンで、長崎~熊本間の九州横断観光ルートを海で結ぶ国道フェリー(国道57号)として運航を始めました。
乗客定員600人、大型バス10台、小型車6台、オートバイ20台が収容可能でした。


島原港発の記念すべき一番船に乗った乗客は50人あまりで、車両は中型トラックなど5台程度でした。

懐かしい、オート三輪「ミゼット」の姿もみられます。

三角・島原間をオート三輪で往復した牛乳販売店の店主にインタビューすると、「別に用事はなかったが、雲仙までドライブしたいと思って来た」と話しました。

三角~島原間のフェリーは、熊本市・大分県方面と、長崎県方面とを結ぶ『自動車移動の重要ルート』として機能し、最盛期には年間100万人を超える利用者数を誇っていました。




しかし、その後1993年に熊本市近郊に近い熊本港が開港し、島原・熊本港を結ぶ新しい航路ができたことで島原~三角間のフェリーは乗客が大幅に減少。運航の継続が難しくなり、2006年(平成18)年に航路は廃止されました