下平監督:
「自分たちがボールを持って自分たちから攻撃を仕掛けているときがサッカー選手としても楽しいと思うんですよね。すごく雑なパスとか雑なコントロールで相手にボールを渡したくないというのが1つ大きなところであって。

もう1つは、勝負の世界になってくると“運”があるじゃないですか。ボール1個どっちに転がるかとかポストに嫌われてゴールが外れるとか、ギリギリの勝負の世界になってきたときに、いつもボールを大事にしている選手のところに僕は “神様が微笑む” と思うんですよね。それは、例えばボールに1個のルールとして座らない、サッカー選手ってよくボールの上に座るんですけど、それはなしにしようねと」

『ボールを大事にする』ことは下平監督が求める規律の徹底されたチーム作りに繋がると言います。

下平隆宏監督:
「例えばチームメイトの俺がボールに座ったとするじゃないですか、それを注意できるかっていうところも、チームの規律としてボールに座らないほうがいいよって言えるかどうかもすごく大事な要素で、自分がしっかりする。で、それを人にも言える。
これってサッカーでも一緒で『チームでこうやって守りましょう』『守備こうやってやりましょう』って(規律)があって、しっかりやっている選手とやれない選手が出てきた中で、それを周りの選手が “今 こうするべきだ”と言える関係になるかっていうのも、たったボール1個を大事にしましょうって意味にもいっぱい含まれていて」

下平監督のもと生まれる“一体感”がJ2屈指の戦力を揃えながら昇格を逃してきたV・ファーレンをより強固な組織へと成長させます。

下平隆宏監督:
「一生懸命、チームのためにみんなが戦っている姿がやっぱり一番美しいと思うし、それで結果が伴えば最高だと思うので、そういうサッカーをお見せできればなと思います」

下平監督は「ボールを大事にする」ことで──
(1)攻撃権を保つサッカースタイル
(2)神頼み、願掛け
(3)「規律」を重んじるチームへ つながると言います。

昨シーズンは失点の多さが目立ちましたが、ことしのトレーニングマッチでは“規律のある守備”を徹底し、シュートを打たれる本数が激減しているとのこと。「個の力はあるけど…」と言われてきたV・ファーレンが歓喜のシーズンを迎えるか注目です。