日ざしが少ない梅雨ですが、実は熱中症のリスクが高まる時期でもあります。
梅雨なのに、なぜ、熱中症のリスクがあるのか?その原因や対策を専門家に聞きました。

夏場を中心に各地で相次ぐ熱中症。
去年1年間では、全国でおよそ10万人が救急搬送されました。

例年、7月と8月がピークとなりますが、実は、厳しい残暑が続く9月よりも、6月の方が搬送数が多くなっています。

なぜ、晴れ間が少ない梅雨の時期に熱中症患者が増えるのでしょうか?

【原因(1)「高温多湿」】
(県立宮崎病院救命救急科 長嶺育弘医長)
「梅雨時だと雨が降って湿度が高い、熱が逃げにくい環境になる」

ヒトの体は体温が高くなった時に汗をかき、その汗が蒸発する際に熱を奪うことで体温を下げます。

ところが、湿度が高い環境では、汗が蒸発しにくく、なかなか体温が下がりません。

このため、雨で湿度が高くなった場所では、体温調節が働きにくく、熱中症になりやすいのです。

【原因(2)「暑さに慣れていない」】
ヒトの体は、冬場には体温を逃がさないよう、汗をかきにくくなっています。その後、夏に向けて徐々に暑さを経験し、汗をかく機能が高まっていきます。

これを「暑熱順化」といいますが、6月はというと…

(県立宮崎病院救命救急科 長嶺育弘医長)
「私たちの体は慣れがある程度必用だが、(6月は)暑くなってまだ時間が経ってないし、暑さにまだ慣れていない、『暑熱順化』に対応しきれていない」

「湿度の高さ」や「暑さに慣れていない」といった要因から梅雨の時期にリスクが高まる熱中症。

専門家は、特に注意が必要な人がいるといいます。

【熱中症リスク『高』「高齢者」】

(県立宮崎病院救命救急科 長嶺育弘医長)
「高齢者は、代謝が落ちている人もいる、自分の体から熱が逃げにくい状況になると、屋内でも熱中症を発症する可能性が出てくる」

【熱中症リスク『高』「薬の服用」】

(県立宮崎病院救命救急科 長嶺育弘医長)
「高血圧の薬、精神科関連の薬は、熱が体にたまりやすくなる、薬でも熱中症になりやすい」

実際、熱中症になると、発熱のほか、軽い頭痛や気分が悪くなるなど風邪に似た症状が出ます。

こうした症状が出た場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

(県立宮崎病院救命救急科 長嶺育弘医長)
「高温多湿な環境に居れば、その環境からできるだけ早めに涼しい環境に移動することが大事」

このほか、水分や塩分などミネラルのこまめな補給も重要です。

また、体温を下げるには、皮膚の近くにある太い血管を冷やすことも効果があります。

(県立宮崎病院救命救急科 長嶺育弘医長)
「熱中症は適切な予防で防ぐことができます、(体温が)40度以上や意識がもうろうとなった状況は重症のサインになるので、その時は救急車を呼んで、医療機関に搬送や受診をしてもらいたい」

梅雨の時期だからこそ気を付けたい熱中症。
エアコンを上手に活用するなどして、対策を図ることが大切です。