台風14号で降り始めからの総雨量が1000ミリ近くに達した宮崎県美郷町では、複数の土砂崩れが発生しました。

今も停電や断水が続いている地域もあり、住民からは影響の長期化を懸念する声が聞かれます。

(渕 雅顕記者)
「あちらが全面通行止めとなっている国道388号です。土砂崩れによって木がなぎ倒され道をふさいでいます」

美郷町から椎葉村へつながる国道388号。

住民の生活道路としても利用されていますが、複数の箇所で土砂崩れや決壊が発生し、現在全面通行止めとなっています。


取材班は、21日、土砂崩れ現場の近くで、1人の女性と会いました。

(甲斐博子さん)
「あの壊れているちょっと300メートルぐらい奥に実家があるんですよね。もう何日も帰ってないから不安で」


美郷町南郷神門に住む甲斐博子さん。

隣の鬼神野地区から避難していた母親と一緒に、う回路を通って5日ぶりに実家に帰りました。


甲斐さんの実家は商店を営んでいますが、停電のため営業できる状態ではありません。

甲斐さんの母親、黒田鶴子さんに、隣接する自宅を見せてもらうと・・・

(黒田鶴子さん)
「臭いですね、なんか・・・」

冷蔵庫の中のものはダメになっているようです。



また、寝室は・・・

(黒田鶴子さん)
「ほら、畳がごとごと」

雨漏りでしょうか、ベッドや畳がびっしょりと濡れてしまっています。

鬼神野地区では停電だけではなく、断水が続く地域もあります。

(住民)
「水がこんなに出ないのは初めてですね。全く出ないです。一滴も」

こちらの家では電気が復旧したものの、水が出ません。

(住民)
「電気が点かないよりも水がでないのが困りますね。トイレとかも大変ですし、飲料水は妹の家からもらってきているんですよ。洗濯もできないし・・・」


こちらは、南郷温泉「山霧」。
一度は、電気が復旧したものの、21日未明ごろから再び停電しています。


(渕 雅顕記者)
「こちらの温泉施設では停電となっているため、洗い場の水もまったくでない状況です」

停電の影響で源泉や水をためているタンクから送水することができない状態に。
このため、施設は臨時休業としています。



(南郷温泉「山霧」 高見浪江さん)
「いろいろ不具合がありまして、施設のまわりとかも壊れたり水漏れとかがあったりして、すぐには営業できる状態ではないです。一日も早く通常の営業ができるように、皆さんも生活できるようになればいいなと思います」


大きな被害をもたらした台風14号。住民の不便な生活が続いています。