珠洲市で5月に発生した震度6強の地震から今月5日で4か月が経ちました。少しずつ復旧が進む中、定期的な相談会などを通じ支援に取り組む弁護士らは、発災当初とは違った複雑な思いや悩みを感じ取っています。


地震の被害が集中した珠洲市正院町。季節は移ろい、田んぼでは稲刈り作業が行われるなど、日常を取り戻したようにも見えます。しかし、住宅地に入ってみると、いまだに傾いたままの建物やブルシートが被せられたままの屋根が目にとまります。


今月5日で地震から4か月が経った被災地・珠洲の住民の思いにも、少しずつ変化が見られます。


住民の男性は「だいぶ落ち着いて地震があったのか分からなくなってきた。地震発生から1ヶ月くらいの時は『困っているな』『助けて欲しいな』と思っていたが、4ヶ月経ったらそれを忘れてしまって、地震のことを忘れたいというのがあるんかも知れんけど、地震このまま無ければ良いなという願いばかりで、忘れていくのも必要なんかな」と話していました。仮設住宅で1人暮らしする住民はこんな悩みを抱えていました。


仮設住宅に暮らす女性
「夫が亡くなった時点で相続手続きをしてなかったんです。家の解体の時も同意書で子どものところハンコ貰ったり大変だったから、法律的な事をちゃんとして置かないと後々の人が困るなあと」


こうした法律的な手続きなどを含め、被災者の相談窓口として、弁護士や公認会計士など10の業種の専門家による合同無料相談会がことし6月から珠洲市で定期的に開かれています。金沢弁護士会の災害復興支援ワーキンググループ長の酢谷昌司弁護士によると、地震の発生当初から相談内容も変わってきていると言います。


金沢弁護士会・酢谷昌司さん
「最初は公的支援制度そのものに関するご相談が多かったが、時間が経ち、家の登記の問題や税金に関する問題、そういった公的支援制度以外の色んな相談に波及しているような状況ですね」


専門家グループによる無料相談会は今月21日も珠洲市役所で行われる予定で、被災者を支援するための息の長い取り組みが求められています。