石川県七尾市が生んだ稀代の絵師・長谷川等伯の生涯を描いた演劇が10月から上演されるのを前に、4日、東京都内で稽古が始まりました。

この公演は、いしかわ百万石文化祭2023の一環として、七尾市に深いゆかりがある無名塾と市民が合同で行うもので、等伯がなぜ「松林図」を描いたのか、その謎に迫る内容です。
稽古初めの4日は、等伯役を務める赤羽秀之さんをはじめ、出演者11人全員が台本読みなどを行いました。今回の舞台では演出に徹する無名塾主宰の仲代達矢さんが公演への思いを語りました。
仲代達矢さん
「役者生活70年以上やっているんですが、演出はほんの2回ばかししかやっていないので新人同様です。とにかくこの芝居を素敵なものにしたい」

また主演の赤羽さんは、2010年にも一度、等伯を演じたことがありますが、今回の公演には特別な思いもあるようです。
長谷川等伯役 赤羽秀之さん
「前回思い出したのが、あと10歳年取ったら、等伯と同じなのになぁと言ってる今、そのぐらいの年齢になったので、等伯もいま台本の中で描かれているような、この時期を過ごしたんだなぁと」

無名塾と市民の合同公演「等伯―反骨の画聖―」は、10月20日から11月5日まで石川県七尾市の能登演劇堂で上演されます。
赤羽秀之さん
「都育ちではない等伯が、自分の力だけを信じて能登の七尾から京都にのぼって、その時の一大勢力だった日本画家の集団に挑んだ。その野心というか、とても魅力的な生きざまだと思う。そういうところはみて感動してもらえるんじゃないかと」