不要になったものに新たに付加価値を持たせる「アップサイクル」
染織を学ぶ京都の学生らが今、捨てられるはずだった素材でできた布に加賀友禅の技術を使って新たな価値を生み出しています。

先月24日。京都市の京都精華大学の工房では染織を専攻する学生たちが真剣な表情で作業を進めていました。使っていたのは加賀友禅の技法です。

京都精華大学芸術学部 亀田ひなた助手
「『のり置き』という工程で、のりを置いたところに染料が入らなくなって、最後洗い流したときに白く残る」

亀田ひなたさん

この日手がけていた作品はある企画に向けて、作業が進められていました。

加賀友禅の技法で…取り組むのはSDGsな企画

今年6月、金沢市の毎田染画工芸を訪ねた学生たちは、その企画の説明を受けました。

一般社団法人アップサイクル 瀧井和篤事務局長
「再生紙を作って、再生紙から糸を作る取り組みを約2年前から始めた。伝統工芸と組み合わせることによって、新たな価値を生み出せたら」

不要となったものに新たな付加価値を持たせる取り組みを進める一般社団法人アップサイクル。今回、その取り組みの一環として、不要となった紙や間伐材を再生してできた「手ぬぐい」のデザインを学生らが担当することになりました。

加賀友禅作家 毎田仁嗣さん
「素材が社会性にかかわる素材、そういうテーマの中で自分たちの技術やデザインをどう活かせるのか、難しい部分ではあるが、面白い部分と思って学生にも楽しんでやってもらえたらいいかな」