金沢市などで震度6強以上の強い揺れが想定される森本・富樫断層帯について、これまでに知られていなかった地域にも断層が存在する可能性が出てきました。専門家は今後、地震による被害想定を見直す上で重要な発見だとしています。
津幡町から白山市の旧鶴来町まで、金沢市を縦断するように走る森本・富樫断層帯。金沢市をはじめ、富山県を含む広い範囲で震度6弱以上の強い揺れが想定されています。
今後30年以内に地震が起こる確率は2パーセントから8パーセントで、全国的にも高い部類に入っているにもかかわらず、実は地下の構造はこれまであまり知られてきませんでした。

どういった場所に断層があるのかを解明するため、東京大学地震研究所などのグループは、2022年から3年間をかけた大規模な調査に乗り出しました。2023年1月には特殊な車両を使って人工的に揺れを起こし、地下から跳ね返ってくる波を地上の地震計で捉えることで、断層の構造を調べました。

その結果、これまでに知られていた断層のさらに下に、断層のような構造が新たに複数確認されたということです。

金沢大学の平松良浩教授は「これまで引かれていた線以外の所にも断層と思われる物があるのではないか。今後の森本富樫断層帯による地震被害想定を将来考えるうえで重要な知見になる」と話しています。

また河北潟の周辺では、従来の想定よりも地盤が柔らかい可能性が指摘され、研究グループはさらに調査を進め、およそ2年後をめどに調査結果をまとめることにしています。