警察の事件捜査で重要な手がかりとなる似顔絵についてです。石川県警察本部では20日、捜査に使われる似顔絵の講習会が開かれました。

石川県警察本部・泉栄盛三刑事部長
「捜査の初期段階で犯人の特徴を掴むことが出来るという点で非常に有効な捜査手法の1つ」

20日、コロナ禍で4年ぶりに開催された捜査用の似顔絵講習会。およそ40人の警察官が参加し技術向上を目指します。

講師は、県内唯一の捜査用似顔絵技能指導員・能美警察署の大久保敏子警部補。基本的な書き方を教わりながらまずはペアになって似顔絵を描きます。

兵藤
「眉毛だったり髪型。意識したつもりです。あと目元が垂れ目でしたのでちょっとそこを意識しましたけども…全然違いますね。これじゃ捕まらないですね、いや難しい」

参加した警察官
「似顔絵を作成して検挙する事件はだいたい証拠が乏しい事件がほとんど。技能向上して検挙につながればと思っている」

似顔絵捜査のメリットは特別な機材が必要ないこと。鉛筆と紙があれば短時間で書くことができるほか、目撃状況によっては顔だけでなく所持品なども作成できます。一方、目撃者の記憶力などに左右されるほか、犯人の目星がついている場合、似顔絵の作成者が顔の特徴を誘導してしまうというデメリットもあります。

警察官が作成した似顔絵

県警察本部が去年から今年5月までに作成した捜査用似顔絵は115枚で、このうち2枚が摘発に繋がっています。

大久保敏子警部補
「これからも似顔絵捜査が犯人検挙に結び付けられるように、似顔絵捜査という手法があることを警察官と市民の方に多く知っていただければ」

証拠の乏しい事件では重要な手がかりとなる似顔絵。警察官1人ひとりの技能の向上が事件解決へと繋がります。