石川県能登地方で地震が相次ぐ中、住民は日常の生活を取り戻そうと必死に不安と闘っています。震度6強の揺れで、住宅の下敷きになった女性は9日夜、自らが経営する店を再開させました。
「よかった…本当に。本当によかった。」常連客と熱い抱擁を交わすのは、石川県珠洲市飯田町でラウンジを経営する西村信子さん77歳。

「このまま終わるのかな…」地震で自宅の下敷きに
震度6強の地震で珠洲市正院町にある自宅の1階部分が潰れ、下敷きになりました。
2時間助けを待ったという西村さんでしたが、幸い、命に別状はありませんでした。西村信子さんは「今までにない揺れと音がすごかった。起きあがろうと思って上がったら天井が落ちてきていた。天井がつかえて立てなくなった。いろんなことを考えて、このまま終わるのかなみたいな。」と当時を振り返ります。
店には常連客が訪れ、西村さんの元気な姿に涙をこぼします。
常連客「ママが家にいるのは分かっとったから…」
西村さん「普通ならおらんのに…連休なばっかりに。」
常連客「私、生きた心地せんくって」
西村さん「後で私も家見たら、私ここに寝とったんみたいな。」
常連客「本当に生きてて良かった」
常連客は、「父母のときからずっとこのお店を利用していた。ニュースや写真を送ってきた人がいて、「ママの家だ」と思った。店がお休みで中にいるのは知っていたので、生きた心地がしなかった。助かったって聞いて、最強、強運の持ち主なんですよ、ママってね。強運中の強運だと思った。」
常連客「お母さん、生きとったか。嬉しいわ。」
西村さん「ありがとう」
再開を聞きつけた客が次々に店を訪れます。
こちらの常連客は「励ましの言葉をかけたくて。また頑張ってほしい、負けんなっていう気持ちでやってほしい。」とコメントしました。
西村さんの夫・一雄さんは「それ生かされたんだわと伝えた。もうちょっと店をやってくれという客の要望かもしれんよって。家にじっと隠れているわけにはいかないよ。店を開けて店ができるようなら元気な顔を見せてお礼を言わないとと話した」と、再開に至った決意を話してくれました。

西村さんは常連客との固い絆を胸に前を向いています。
西村信子さん「色々な人が来てくれて本当にうれしい。何よりまた頑張れる。ありがたい話。本当に感謝しかない」
大きな被害に見舞われた珠洲市。震度6強の地震から5日が経ちましたが、元通りの日常を取り戻そうと住民は今も必死に不安と闘っています。