みなさんは、「醸造」させた食品と聞いて、どんなイメージを持ちますか。
取材してきたのは石川県白山市北部に位置する、鶴来地区。
水資源が豊富で醸造文化が栄える鶴来地区では、古くから続く味噌屋や糀屋、酒造店など7つの醸造元が密集しているんです。そしてこれらの企業とコラボした「醸造スイーツ」を製造・販売するお店がいま、次々に誕生しているんです。

新たな魅力を生み出す「醸造スイーツストリート」に行ってきました。
霊峰白山の伏流水で作る清酒を使ったプリンに。
創業100年以上、老舗店の濃厚な味噌を使ったパウンドケーキ。
兵藤アナ「醤油に味噌など、古くから醸造文化が栄えるここ鶴来では、いまこれらを使ったスイーツが注目を集めているんです」
お邪魔したのは鶴来本町にある洋菓子店「Haku」。金沢市出身のパティシエ徳田英晃さんが2021年にオープンしました。

洋菓子Haku 徳田英晃オーナーパティシエ「なかなかここまで醸造文化が盛んな所が全国的にもないので、それを取り入れられればおもしろいのかなと思った」

Hakuが作るのは老舗のしょう油店や味噌蔵の伝統の味を生かしたスイーツ。鶴来地区では伝統ある街並みをリノベーションしたカフェやスイーツ店が次々に起業しています。直近4年間でその数は50社以上。
鶴来商工会の山内秀明さんは、「醸造の街という鶴来の魅力と新しい醸造の使い方をスイーツ店が表現してくれている。それで醸造の可能性も広まっていくのかなと」とコメントしました。
醸造文化に新たな魅力を生み出す「コラボスイーツ」の動きに老舗醸造元も期待を寄せているようです。白山市で明治時代から続く醤油店 大屋醤油の大屋美千代店長は、「コロナの影響もあってか、卸していた飲食店が無くなったり、ずっとやっていた酒屋が後継者不足で閉店したり、新しい店の人に地元のものを使って取り組んでもらえることが本当に感謝しかない」と、期待のコメント。
鶴来地区で次々にオープンするスイーツ店が、醸造文化が息づく伝統的な街並みに新たな風を吹かせています。