もうすぐ4月、新生活を迎える人も多いのではないでしょうか。
一方で、慣れない環境の変化で思わぬ犯罪に巻き込まれる、そんなことがないよう確認すべきポイントなどを取材しました。
進学や転勤など、4月は生活のスタイルが変わる人も多い季節。ただ、こうした時期だからこそ気を付けなければならないことがあります。
石川県警察本部生活安全企画課 川端実次席
「新しく学校に入学される子どもとか。声掛け事案や付きまとい事案が現実に発生している」
石川県警によりますと、この時期に特別、犯罪が増えるというわけではありませんが、子どもにとっては「通学路」など、環境が変わるタイミングは危険が多いといいます。

石川県内では去年1年間に確認された中学生以下への声かけや付きまといなどの事案は320件。決して気を抜ける数字ではありません。
こうした中、現場を事前に確認できるようにと石川県警が保護者らに勧めているのが、県警のホームページに掲載されている、身近な犯罪などを確認できるマップです。

マップを通じて、自分の住んでいる地域の犯罪や事案等を確認することが出来ます。
例えば、中学生以下の子どもを対象にした声掛け事案、写真撮影、つきまといなどといった行為が、いつ、どこで、どのようにして起こったのか、マップを見れば確認ができるため、通学路の安全点検にも効果があります。

このほか、マップでは空き巣や公然わいせつ、ひったくりなどが起きた場所も確認することができます。
川端実次席
「夜間あるいは1人で通る時にその道を避けるとか、大通り沿いを歩くとか、犯罪の多い地域の防犯意識を高めていただくことはできるかなと思っている」
実際に危険な場所を見極める方法は?専門家の挙げるポイントは…
地域防犯の専門家である北陸大学の山本啓一教授も、蓄積されてきた通勤・通学の経験のない道路を通ることになる中学1年生、高校1年生らは特に注意が必要だと話します。
その上で、こうしたマップに加え、犯罪者の狙う危険な場所を入りやすく、逃げやすい、周りから見えにくい場所だと知っておくことが大切と指摘します。
北陸大学 山本啓一教授
「暗いだけではなくて、むしろ周りから見えにくい場所を選んで、変質者、犯罪者は人を襲うことがある。福岡県の性犯罪の研究をすると、路上で起きた性犯罪では、駅周辺やコンビニ周辺で発生している可能性が高い。帰りにコンビニに寄った後で襲われている状況がある」

また、道路わきの建物の窓が歩道側に向いていないなど、人の視線が感じられない場所も危険性が高いといいます。
もうすぐ4月、新たな環境下で事前に周辺を確認してみて、身近な安全を確かめることも大切です。