皆さんは冬の風物詩「雪吊り」をどう読むでしょうか。
「ゆきつり」でしょうか?「ゆきづり」でしょうか?
日常どちらも使われますが、では放送の世界ではどちらでお伝えする方がより良いのか?こうした放送での言葉に関して意見を交わす集いが金沢市内で開かれました。

NHK金沢放送局で開かれた「アナウンサーことばの集い@金沢」
石川県内のNHKや民放のアナウンサー・キャスターが集まり、局の垣根を超えたオンラインを併用した意見交換会が開かれました。
MROからは松村玲郎キャスターが参加しました。
松村キャスター:「MROでは従来アクセント辞典どおり『ゲ\ーギ』という読み方をしているが、最近は『ゲーコ』でもいいのではないかという場面が多くなってきている」

集いでは芸妓を「げいぎ」か「げいこ」どちらで読んだらいいかや、「宝達志水町」という地名は「ほうだつ・しみずちょう」か、もしくは「ほうだつしみずちょう」で読むのかなど、言葉のプロでも迷うアクセントについてざっくばらんに意見を交換しました。

げいぎ?げいこ?どちら?

参加したアナウンサーらは、放送の質を高める「言葉」について理解を深めていました。

それぞれの放送局に受け継がれてきた読み方もあり、今回の意見交換会は決して「こう読もう」と決めるものではありませんが、各放送局の代表者が言葉に向き合い、今後のよりよい放送につなげていくきっかけとなったようです。

松村キャスターまとめ:
雪吊りは各局とも放送では「ゆきつり」と濁らずに読むという見解でした。これは音の響きが美しいのと「行きずり」と区別するため等いろいろな理由があります。

芸妓については大きく分けて、かしこまった・あらたまった場面では格式ある響きの「げいぎ」、親しみを込める場合は「げいこ」など、場面に応じた使い分けをしているという意見が出ました。また金沢の芸妓衆は自分たちのことを「げいこ」と呼ぶことが多く、そういったことも参考に放送内でよりその場面にふさわしい使い方を考えていく必要があるという認識で一致しました。