石川県白山市の県ふれあい昆虫館は、これまで県内で確認されていなかった種類のチョウとカマキリが見つかったと発表しました。新しい種類の発見は大きな話題とも言えますが、一方で生態系に悪影響が及ぶのではと、懸念の声も上がっています。
去年12月、本来は中国に分布しているアカボシゴマダラとムネアカハラビロカマキリが県内で発見されたと県ふれあい昆虫館が公表しました。これまで、ゲンゴロウなど数々の新種を見つけてきた職員たち。しかし、今回は少し様子が違うようです。標本があるというので見せてもらいました。
県ふれあい昆虫館 学芸員・福富宏和さん「発見したのはカマキリではなく、こちらのタマゴです。これから増えてしまって石川のカマキリ事情が大きく変わってしまう可能性があります。」
Q.石川の生態系としては一大事?
福富さん「そうですね。一大事ですし、これが難しいのが増えてしまったら取り返しがつかない」
もともとの在来種のカマキリと置き換わってしまう可能性が指摘されているムネアカハラビロカマキリ。金沢市内で見つかった卵は在来種と比べると形が違うのがよくわかります。さらに、白山市で見つかったチョウについては…
福富さん「日本では移動することが禁止されている特定外来生物ということで、捕まえて飼育したり育てたりするのが禁止されるくらい、国が広がらないように対策しているチョウになります」
羽に赤く大きめの斑点があるのが特徴のアカボシゴマダラ。こちらもこれまで維持されてきた国内の生態系を脅かす可能性が指摘されています。
Q.危機感を持たないといけない発見だった?
福富さん「新しい虫が見つかりました、石川の虫が増えました、楽しいでしょ?というだけの問題ではなく、こうやって人間が活動することによって連れ込んでしまった種というのは、本当に何があるかわからない。実は100年前のアレが原因だった…と言っても時すでに遅しとなってしまうので、できる限り今ある状況というのをキープしながら生活していけるのが将来につなげる意味でもいいのではないか」











