石川県の馳浩知事は27日の定例記者会見で、地元テレビ局の「石川テレビ放送」が去年制作したドキュメンタリー映画をめぐり、自身や県職員の映像を無断で使用しているとして不快感を示しました。また元日に出場したプロレスの試合映像について「肖像権の取り扱いについて倫理的に納得できていない」として、石川テレビに対し提供できないとしました。

馳知事は1日、休暇中に日本武道館で開かれたプロレス試合にサプライズ参戦していました。地元のテレビ局や新聞社が、試合の主催者から提供された写真などを使用していましたが、石川テレビは提供の許諾が得られず、16日付で馳知事に質問状を送っていました。

27日に石川県庁で開かれた記者会見で、質問状について石川テレビの記者に問われた馳知事は、石川テレビが去年制作したドキュメンタリー映画「裸のムラ」を問題視しました。この中で馳知事は「顔のアップや名札が判別できる映像が使用されていた」と指摘し「肖像権の取り扱いとして、倫理的に納得できていない」としました。

そのうえで、映画が報道番組ではなく、商業映画に当たると主張し「一言も映像の許諾請求を受けていないし、映像の許諾をしていない。私は選挙で選ばれた公人なので、やむを得ない部分もあるが、今後判例に委ねたいと思う」と述べました。