社会学の目線で見るネコ
では、その関係を研究する「猫社会学」とは具体的にどのような学問なのか。
社会学とは「人間と人間の関係」を研究する学問。これを踏まえると、「猫社会学」はネコと人間の関係について研究する学問になる。
人間がネコに抱く「8つの意味づけ(言説)」
赤川教授は2021年、自らのゼミ生36人とともに、40人以上の飼い主を対象に「ネコはあなたにとってどういう存在か」という徹底的なインタビュー調査を行った。
集まった生の声を文字に起こし、文化人類学者・川喜田二郎氏が考案した質的統合法「KJ法」を用いて分析。その結果、人間がネコに対して抱いている考え方は、大きく8つの「言説(カテゴリー)」に整理できることが分かった。

①家族としてのネコ
生活を共にする中で、徐々に子ども、兄弟、家族のような、かけがえのない大切な存在になっていくという、最も分かりやすい意味づけです。
②別種としてのネコ
かわいさだけでなく、内に秘めた凶暴さや野生(「魔女の変身」とも称された歴史)を併せ持つため、人間とは異なる「別の種(人間ではない存在)」としてリスペクトしながら関わりたいという考え方です。
③理想としてのネコ
ネコは人間に忖度せず、自由で媚びません。そんな姿を「人生の先生」や、ブレない精神的支柱として理想化する見方です。
④話題の中心としてのネコ
人間が道端のネコや飼いネコに話しかけることで、それが家族の共通の話題や遊び相手になり、ネコを媒介に家族が繋がっていきます。まさに「ネコはかすがい(猫ミュニケーション)」現象です。
⑤ネコを飼う責任
野良猫や、捨て猫をかわいそうに思う気持ち。また、ネコを飼うことの重い責任(自分が死んだ後の世話など)を感じつつも、それが逆に自分の「生きる糧(心の糧)」になるという責任感です。
⑥癒しとしてのネコ
見た目の愛らしさ、ゴロゴロと喉を鳴らす音、布団に入って添い寝してくれる人懐っこさから、ダイレクトに癒やし(ペットセラピー効果)を得る関係です。
⑦無償愛の対象としてのネコ
「ネコはかわいいから、何をやっても許される」。飼い主は、見返りを求めない片思いのような無償の愛を捧げます。いわゆる「人間がネコの下僕になる」状態です。
⑧ルールを守らないネコ
「ネコにも人間のルール(家を荒らさない、噛まないなど)を守ってほしい」という、ままならない現実と格闘する少数意見ですが、これも大切な要素です。














