上司のパワハラで、職員が自らの命を絶った

能美市役所(石川・能美市)

石川県能美市で起きたパワーハラスメント。2025年10月、1人の職員が自ら命を絶った。その背景には、上司による執拗なハラスメントと、組織的な労務管理の失態があった。第三者委員会が調査した報告書からは、「残業三兄弟」と呼ばれ、適切な残業申請すらできない環境で追い詰められていく職員たちの姿が浮かび上がる。私たちは、この報告書から何を学ぶべきなのか。

第三者委員会の報告書

「残業三兄弟」…あだ名に潜む暴力性

能美市総務部の課長が部下に付けた「残業三兄弟」というあだ名。一見すると、単なる冗談のように聞こえる人もいるかもしれない。しかし、第三者委員会はこれを明確な「ハラスメント」と認定した。

対象となったのは、自殺した被害者、そして被害者の同僚2人の3人。残業が多いという理由で、直属の上司からこう呼ばれ続けた。当事者たちは「時間外申請をする気が失せた」と証言している。

報告書は指摘する。「このような呼び方をする業務上の必要性はない」「相手の就労状況を揶揄する印象を持つ表現であることは明白」。職務に関連した発言であり、抵抗できない上下関係の中で繰り返されたこの言葉は、職員たちの尊厳を傷つけ、職場環境を確実に蝕んでいった。