「被災者の歌があってもいいのではないか」

穴水町の農林業・室木正武さんは、入選者の最年長、81歳で選ばれました。

室木さんは能登半島地震で、自宅の母屋などが全壊しました。現在は、倒壊を免れた一角に夫婦2人で暮らしています。

60歳を過ぎた頃、母親や友人の影響で短歌を始めた室木さん。これまで欠かすことなく歌を書き留めてきた日々は、地震で一変しました。

室木さんは「当初は歌をつくる心境にはなれず、2か月ばかりは殆ど歌は作らなかった。でも自分なりに思ったんです。『被災者の歌』があっても良いんじゃないかと思って、それから少しずつ歌を作り出した」と話します。

毎朝5時に起き、スマホのメモ帳を活用しながら、浮かんでくる言葉を紡ぐひと時が、一番楽しいと話す室木さん。「その頃(20年前)は手で書いてましたわね。こういう便利なの、これだと寝ながらでも見ながらチョンチョンと押していけるから」と歌づくりの今を教えてくれました。

また、「すぐにこれは!という言葉が浮かんでくる、こうやって考えている内に『お、良い言葉が浮かんできたな。よしこの言葉を使おう』とか。短歌を考えている時間というのは、私にとってゴールデンタイムなんですよ」と笑みを浮かべます。

歌会始にはこれまで10回ほど応募するも、落選。今回は…

室木さん…「電話で宮内庁ですと電話かかってきて、これはもしや?と思って。1週間気持ちが昂りながら待ってたら今度は速達で。これで一つの夢が叶ったなと思った」と話しました。