金沢市の繁華街で飲酒運転により男女2人を死傷させたとして、当時19歳の元少年が危険運転致死などの罪に問われた裁判の控訴審で、名古屋高裁金沢支部は、懲役14年とした1審判決を支持し、弁護側の控訴を退けました。

この裁判は2020年12月、金沢市香林坊と片町で、飲酒運転により相次いで男女2人をはね、このうち当時78歳の女性を死亡させたとして、当時19歳だった元少年が危険運転致死などの罪に問われているものです。

事件があった金沢市中心部の国道157号 奥が男性がはねられた香林坊交差点、手前が女性がはねられた片町1丁目交差点=2020年12月

1審の金沢地裁は3月、元少年が男性をはねたあと、加速しながら逃走し、女性をはね死亡させたのは危険、悪質な犯行だとして、求刑どおり懲役14年の判決を言い渡しました。

これに対し弁護側は、元少年が男性をはねたあと、後ろに注意を払っていて、女性が渡っていた交差点の信号に気づかなかったと主張。事件前に飲んだ酒の量も発泡酒1缶で事実と異なるなどとして減刑を求め控訴していました。

判決を代読した山田耕司裁判長(中央上)=名古屋高裁金沢支部、15日午前10時半ごろ

名古屋高裁金沢支部の森浩史裁判長は15日の判決で、弁護側の主張には理由がなく、量刑も不当に重いとは言えないとして、懲役14年とした1審判決を支持し、元少年の控訴を棄却しました。