復興に向けて寄り添う心

復旧復興が進むにつれ、少しずつボランティアの方とのかかわりや、支援の在り方も変化しています。

大阪・京都を中心に茶の湯の普及に従事されている、茶道家の米原さんは、これまでの災害ボランティア活動を通じて、個人でもなにか出来ることがあるのではないかと、5/1に町野町のもとやスーパーさんで、お茶会を開いてくださいました。

「一服のお茶を飲んでいただきながら、町野町のみなさんとお話するひとときを持てたら」ということで、お買い物中の三世代のお客さまと本谷一郎さんをお誘いして、一席目がスタートした後は、一郎さんの宣伝や当日のオープンチャットやSNSでのお知らせをご覧になられた方や、夕方からの炊き出しにいらっしゃった方などが、ゆっくりとお茶を楽しまれたそうです。

また、お茶とともに、災害ボランティアとして能登に通ってくださっている愛知県の鉄道写真好きの方が撮影された、「がんばろう能登 能登に通った1年の記録」アルバムをお持ちくださいました。

能登の風景と鉄道復旧を風化させないため、発災から2度目の春となる2025年4月までの1年間の貴重な記録のアルバムには、災害発生後の大変な光景ではなく、美しい能登の風景、たくさんの方のご尽力により再開されたのと鉄道の写真が収められており、みなさま、感慨深そうに見入っていらっしゃいました。

私も拝見させていただきましたが、手元に置いておきたいと後日問い合わせて購入された方もいらっしゃったほど、素敵なお写真がたくさん残されています。
今回、初めての個人ボランティア活動を、米原さんは振り返ります。

お茶会に集まった町野町の方々 提供:米原さん

米原さん「これまで、子供支援団体イベントに参加したり、仮設住宅訪問の団体での活動中、集会所でお茶会したり、ボランティアさんに夜の談話時間にお抹茶を飲んでいただいたりしていいましたが、今回のようなお茶会活動は、個人で始めた第一歩でした。どうなるか不安もありながらでしたが、もとやスーパーさんでさせていただき私自身にとってもよいスタートになりました。

「仮設には集会所がありますが、自宅にいると集う場所がない、というお声も聞きました。幸い自宅に住めて生活できていても、不自由なことには変わりがないですので、そのような悩みを抱える方々が集う場になるなら、また伺いたいと思っています。」

「お茶会をしたい、という思いがこちらの一人よがりにならないように、今後どういった形が求められているのか、探りながらですが続けていきたいです。そして、お茶仲間を少しずつ巻き込んで、能登に連れていきたい!ということも思っています」