アメリカで新薬が承認 でも国内では・・・

そんな中、2023年12月、治療成績が認められ、アメリカである薬が承認されました。
神経芽腫の再発リスクを減らすことが目的の新薬「エフロルニチン」です。飲み薬のため体への負担が小さく、幸之助君にも投与できることが分かりました。
しかし、当時、日本で使うには「ドラッグ・ロス」という大きな壁が立ちはだかっていました。
「ドラッグ・ロス」とは国外で承認されている薬が、日本では承認申請に向けた開発が行われず、実質使用できないことで、特に小児がんにおいて深刻です。
そもそも小児がんは患者数が非常に少なく市場が小さいため、製薬会社にとって採算が取りにくいなどのハードルがあります。
この状況に対し、欧米では新規のがん治療薬を開発する際、原則将来的に小児がん治療に有効となる可能性がある場合は、企業に小児用の治験を義務づける法律を整備してきました。
こうした流れを受け、日本でも2025年の医薬品医療機器等法改正により、成人向けの新薬を申請する企業に対して、小児用の開発計画を併せて作成することが「努力義務化」されました。しかし、欧米のように強制力があるものではありません。
日本が「法的義務」に踏み込めないのには理由があります。世界有数の市場を持つ欧米であれば、治験が義務化されても企業は薬の開発を進めます。
しかし、少子化が進み、治験参加者が少ない日本で同じように義務化すると、企業が小児用だけでなく、大人用の薬も含めて日本市場への参入を避ける恐れがあるのです。
結果的に、日本での小児向け新薬の承認は後回しとなっています。














