10年かけた遺跡発掘…保存に失敗
――――今までの研究で心残りや失敗したと思うことは?
私が最初に手がけたワカロマという遺跡の保存に失敗したことが、私の人生にとっての心残り。1979年から1989年の10年間にわたって調査していたのですが、最終年にペルーに進出をしていた日系企業が寄付をしてくださることになり、その資金で遺跡公園にしたんです。
ところが除幕式の時、現地の文化庁の支局長が挨拶に立った時に地元の住民たちが横断幕を広げ「一歩たりとも私たちは土地を譲らない」と宣言して大騒ぎになった。これは当時の文化庁の担当者が、実際の遺跡の10倍の面積を遺跡として認定する書類を出して認められてしまったからです。遺跡として認定されると、家を建てたりすることができなくなり、当時は厳しくて『出ていけ』となった。
地元住民あるいは行政が何をしようとしているのかを、われわれが完全に把握できていなかったのが失敗の一番の原因。それを機に、研究のミッションを2つたてることにしました。アンデス文明を研究する学術的なことと同時に、どう保存し活用するか、しくみを調査した上で社会実装することをミッションとしてやっています。
――――これから考古学の道に進む人たちにメッセージがあればお願いします。
楽しいですよ~!調査をする過程というのは、現地の研究者や地域の人たちとの付き合いの中でやっていかないといけない。これが新しい自分の発見につながったり、あるいは自分の異文化理解につながったりします。こんなに楽しいことはない。ぜひ皆さん挑んでいだきたい。














