さまざまな分野で活躍する人たちが講演する「高知市夏季大学」が18日夜から始まりました。初日の講師はジャーナリストの金平茂紀(かねひら・しげのり)さんで、「現在の日本は新しい戦前だ」と危機感を訴えました。
金平茂紀さんは1953年北海道生まれの69歳。1977年にTBSに入社後モスクワ支局長や報道局長などを歴任し、現在はTBS「報道特集」の特任キャスターを務めています。18日夜の講演で金平さんは、ロシアによるウクライナ侵略と安倍元総理の銃撃事件が起きた去年は「歴史の分岐点」と説明。侵略により戦争をしてはいけないという理念が揺らいでいることや、安倍元総理が銃撃で死亡したことで功罪の罪の部分の検証を避けようとして、言論の自由が奪われていることなどを指摘し、現在の日本はこれまでの戦後ではなく「新しい戦前」の状態にあると強調しました。
(ジャーナリスト 金平茂紀さん)
「ウクライナ侵略戦争と安倍元首相の銃撃事件というショッキングな出来事があったら、その隙に乗じて一気に普段できないことをやってしまおうという。僕は端的に言うと、日本を戦争のできる国に変えようとしているんじゃないかと僕は思います。みなさんはどう思っているかわからないですよ」
この上で金平さんは、少数派であることを恥じることなく、間違っていることは間違っていると声をあげていくことが、新しい戦前を生きていくうえで重要だと述べました。