ここからは東とわ気象予報士とお伝えします。東さん、高知県土佐清水市三崎では1時間雨量は93ミリで6月の観測史上最多となるなど、県内各地で大雨となりましたね。

■東とわ気象予報士
県西部では線状降水帯も発生しました。まずは2日の雨の様子を振り返ってみます。2日の深夜から見ていきます。未明から明け方にかけても雨雲がかかっていたのですが、発達した雨雲がかかり始めたのは朝にかけてです。このあたりで線状降水帯が発生しました。このピンクの色のついているところは発達した積乱雲があるところです。これが線状に並んで同じ場所で長い時間、大雨となりました。

その後もこの線状降水帯は居座り続けて、西部や中部では、昼過ぎになると雨は落ち着きましたがこの時間、東部でもまだ活発な雨雲残っていますのでまだ注意が必要となります。

ではこの雨、どれくらいの量が降ったのか見てみましょう。24時間降水量です。2日の夕方にかけてですが、最も降ったのは、土佐清水市の三崎で404.5ミリ。次いで、室戸市佐喜浜356.5ミリということで、こちら、特に土佐清水市三崎では、観測史上最大の値となりました。

現在警報注意報出ているところを確認します。現在は大雨警報、浸水・土砂ともに安芸に。大雨警報、土砂・災害が室戸・幡多に、そして洪水警報が安芸・幡多に出ています。そして土砂災害警戒情報が、土佐清水市、四万十市に出ています。(※18時55分時点で土砂災害警戒情報は全て解除)土砂災害の危険度が高まっています十分に警戒をしてください。

今回県西部で線状降水帯が発生したということなんですけれども、これはなぜなんでしょうか?

■東とわ気象予報士
解説していきます。まず天気図から見てください。2日の午前9時の天気図です。日本列島。には梅雨前線がかかっていました。そして南からは台風が近づいてきています。梅雨前線があるというだけで、しっかりとしたまとまった雨が降るのですが、この台風がやってきたことによって、南から暖かく湿った空気を梅雨前線に送り込み、ここで発達した雨雲が成長し続けたということが大きな要因となっています。

ただ、線状降水帯というものは局地的な現象ですので、もうちょっと細かく紐解いてみようと思います。こちら、高知県の西部を拡大したものとなっています。台風由来の暖かく湿った空気が先ほど流れ込んでいると言いましたが、この流れ込み方にポイントがありました。風に乗って暖かく湿った空気は流れてくるのですが、この風の吹き方が、こういうまっすぐ吹いてきているものであったり、このように斜めに吹いてくるようなものがあったりと風がぶつかってしまいました。この暖かく湿った空気がぶつかり続けると、ここで雲が発生します。

この雲、続々と発生するのですが、この雲自体は上空の風によって流されます。この上空の風が西寄りに吹いていました。雲は続々と流されていきますが、流されたところにまた新たな雲が発生するということで、雲の行列ができてベルトコンベア式に雲が流されていきました。これがいわゆる線状降水帯というふうに呼ばれるもので、同じ場所で長い時間大雨となる危険な現象なんですね。

ただ、この線状降水帯というものは予測するのが非常に困難です。実際に1日の夕方発表された24時間降水量です。1日の段階では西部で200ミリ、中部と東部では300ミリ、いずれも多いところでの予想となっていましたが…

蓋を開けてみるとこのようになっていました。西部で200ミリの予想でしたが、で404.5ミリと、倍以上の雨となったんですね。線状降水帯が発生したことによって予想をはるかに上回る量となってしまいました。

線状降水帯は危険なもので、予測が難しいということで、私たちに何かできることはないのかとなりますが、1日の段階で出ていた情報もあります。それがこちらです。半日前に線状降水帯の危険性を呼びかける情報でした。四国地方では2日午前中から夜にかけて線状降水帯が発生し、大雨の災害の危険度が急激に高まる可能性があると呼びかけていました。

明るいうちから早めの避難や避難の準備を始めてね、という情報は1日の段階で出ていました。それを踏まえて、できたことと言えばハザードマップの確認であったり、防災グッズの確認であったり、こういったものができます。

そして、この先ですね。雨のピーク過ぎてきましたが、こちらは2日夕方に発表された情報です。この後24時間に予想される雨量になります。線状降水帯の発生もなくなりましたがそれでもまだ県内全域で100ミリ以上の雨がこの後も予想されています。中部では100ミリ、西部では120ミリ、そして東部では150ミリの雨が予想されています。特に東部ですね、東部はまだ活発な雨雲がかかっているのでこの後も注意が必要となります。

大雨災害が迫っているとき、改めて確認します。川や田んぼなど絶対に見に行かないようにしてください。そして崖や斜面には近づかないようにしてください。雨が弱まっても土の中の水分が抜けるのには時間がかかりますので、雨が弱まった後でも崖などには近づかず、そして夜間の車、見通しが悪いですので運転には十分注意をしてください。

ここまで大雨について東気象予報士の解説でお伝えしました