有田焼の陶芸家で人間国宝の十四代今泉今右衛門(いまいずみ・いまえもん)さんの作品の展示販売会が、19日から高知市の高知大丸で開かれています。
人間国宝の十四代今泉今右衛門さん。有田焼の絵付けの技法で、2014年に認定されました。展示販売会には十四代今泉今右衛門さんが形・絵柄をデザインした花瓶や皿などの磁器、およそ70点が並んでいます。高知では初めての開催です。

こちらの飾りつぼは完成までにおよそ15人の職人が関わっています。表面には、「墨はじき」という、江戸時代から受け継がれている白色の模様を出す技法で、果物や葉などがきめ細かくデザインされているほか、「雪花墨はじき」という技法も。

その「雪花墨はじき」がよくわかるのが、こちらの花瓶です。よく見ると白色の部分に、淡い白色の花が描かれています。十四代が独自に考案した技法です。さらにこちらの香炉は、伝説の動物麒麟がモチーフとなっています。胴体には桜や椿など四季折々の花などが描かれていて、見る人を楽しませてくれます。

会場を訪れた人たちは人間国宝の貴重で繊細な作品を目の当たりにし、その色合いや技術の高さに感動している様子でした。
(訪れた人)
「本当に微細な柄を作っているので、顔を引っ付けて見てたんですよ。すばらしいなの一言に尽きます。本当にこんな花瓶だと花がいらない。置いておくだけで絵になるので」
(今右衛門陶舗 今泉善雄 社長)
「技術は受け継ぐものですけれど伝統は作るものということが先代からの言葉ですので、皆さまの食生活、生活空間を豊かにしていただきたい。そういう思いでいろんな作品を今回は14代が選んでいますので、皆さんにご覧いただければと思います」
展示販売会では十代から十三代までの作品も並んでいて、代ごとに異なる形やデザインなどを見ることができます。『人間国宝十四代今泉今右衛門展』は高知大丸で25日まで開かれています。