高知県立高知城歴史博物館で国宝に指定されている巻物=「高野切(こうやぎれ)」が2週間限定で公開されました。およそ1000年前に書かれたこの巻物、現代にも通じる、お手本となるような美しい「ひらがな」が見どころです。
「古今和歌集」を書き写した現存する最も古い巻物=「高野切」。

西暦913年ごろ醍醐天皇の命によって「古今和歌集」が成立した後、西暦1050年ごろに書かれたとされています。明治時代になって土佐藩主・山内家が所有していることがわかり、2004年に県が7億円で山内家から購入しました。全部で20ある巻物を総称して「高野切」と言い、県が所有しているのはその20巻目です。

「国宝」に指定されているため普段はめったに展示されず、今回は1年ぶりに2週間限定で公開されました。

(高知城歴史博物館 丸塚花奈子 学芸員)
「国宝は(展示の際)公開期限、光の強さ、照度がとても厳しく定められている。その中で、限られた期間ではあるが県民に楽しんでいただきたいと思い、今回特別に2週間『特別公開』ということで展示している」

「高野切」に書かれた文字はほとんどが「ひらがな」。その美しさが魅力で、文字と文字の繋がりや筆跡、行間の空け方、墨の濃淡など、すべてのバランスが整った“究極のひらがな”と言われています。


(高知城歴史博物館 丸塚花奈子 学芸員)
「『高野切』は3人の書き手によって書かれている。この20巻目は『第一種』に分類されている人の筆によるもの。3人の中でも最も優れた人=首席の人ではないかと推定されている。今の書道にも通じる、見本になるような美しい字体が見どころ。『かなの最高峰』と言われている」
1000年の時を超えても“お手本”と称される美しい「かな文字」。貴重な国宝「高野切」は1月14日まで公開されました。