狩猟への興味や関心を持ってもらおうと、26日、高知市で狩猟の魅力を知れるイベントが行われました。訪れた人たちは狩猟の難しさや必要性を身近に感じていました。

県は狩猟への興味や関心を持ってもらおうと、2021年から毎年「狩猟フェスタ」を開いています。会場には、シカの角や皮を使ったクラフトワークショップや、狩猟を模擬体験できるコーナーなど35のブースが設けられました。こちらは、イノシシやシカを捕獲するための道具の実演ブースです。出店者は初心者でも使えることなどを説明していました。

また、狩猟者によるトークショーでは、岐阜県在住で狩猟歴およそ10年の安田大介さんが、1人で行えるからこそのやりがいもあると話しました。

(狩猟歴 約10年 安田大介さん)
「とにかく自由、自分自身でもああでもないこうでもないと考えながら、とはいえ周りは全部大自然、その空間にいること自体が猟をやっている一番の喜び」

イベントの魅力は他にも。イノシシ汁や鹿の串カツなど8店舗の「ジビエ」料理が楽しめるブースで、狩猟によって手に入る「おいしさ」も伝えます。

(来場者)
「臭みもなくイノシシもおいしくいただいて、生産者も頑張ってメニュー開発されていると思った」
「ジビエ料理がおいしかったし狩猟体験も楽しかったので来てよかった」

こういったイベントが開かれている背景には、「狩猟者の人手不足」があります。
狩猟をするには毎年狩猟登録をする必要がありますが、2024年度、県内の登録者数は約4000人と、この10年で800人近く減少しています。

(県総合企画部 鳥獣対策室 小原誠司 室長)
「高齢化が大きなネックになっていて免許を取らなくなった人がいて(取得者が)減っている」

県内では、狩猟免許を持つ人の6割以上が60歳を超えているほか、40歳未満が占める割合は1割程度に留まっていて、若者の狩猟への関心を高める必要があります。

(県総合企画部 鳥獣対策室 小原誠司 室長)
「主とした仕事をしながら免許を取って狩猟をやるのが時間的な制約があると思うし、費用的なことがあると思う。そういうのが(若者の狩猟者が少ない)原因にあるのかなと思う」

また、県内の鳥獣被害額は2012年度をピークに減少傾向にありましたが、2023年度から再び増加傾向に転じています。人手不足のなかで被害が増えている今こそ、様々な人に狩猟に興味を持ってもらうことが重要です。

(来場者)
「そう簡単になれるものではないと痛感したけど、動物と人間の共存に近づけるのなら自分も力になってみたいと思った」

(県総合企画部 鳥獣対策室 小原誠司 室長)
「一言で狩猟と言ってもなかなかなじみがないと思う。(イベントで)幅広く知っていただいて興味を持っていただき、そうしたことが狩猟者になることにつながれば」