8日夜、外に出てご覧になった方も多いのではないでしょうか。月全体が地球の影に覆われる「皆既月食」が各地でみられました。今回は、「天王星食」も同時に見られるという、442年ぶりの天体ショーに、大勢の人が酔いしれました。
8日夜、香美市では、新しくできた図書館の駐車場に大勢の人が。皆既月食を観察するイベントが開かれ、参加者が持ち寄った天体望遠鏡を10台設置し、午後6時前から地元の親子連れらが“その瞬間”を待ちわびていました。

(参加者)
「せっかくの機会なので来た」
「オレンジっぽくて皆既月食のちゃんとしたやつを見たい」
「(子どもたちにとって)感動というか、実体験として(思い出に)残ってくれたら」

宇宙空間に放たれた太陽の光は、地球や月を照らしています。その際、地球によって宇宙空間に「影」ができますが、この影の中を月が通った時に「月食」が起きます。

月がこの影の中を通ることはめったにないため「月食」は珍しい現象ですが、今回は月が完全に地球の影の中に入る「皆既月食」です。

8日夜の天気は晴れ。日が沈む中、くっきりときれいな満月が浮かび上がりました。

絶好のコンディションに、訪れた人たちの期待も高まります。そして、午後6時過ぎ、月が地球の影に入り始めました。「月食」の始まりです。最初は、月の一部が欠けていく「部分食」。夜空にゆっくりとのぼる月が、だんだんと欠けていきます。

そして、午後7時15分ごろ、月は、完全に地球の影に入りました。「皆既食」です。普段は夜空に煌々と輝く月が、この瞬間は幻想的な“赤い月”へと変わりました。

(参加者)
「本当に真っ暗で消えるんだなと思いました」
「もうちょっと明るいんかなと思ったけれどオレンジ色になってすごいきれいやった。一生心に残りそう」
「最初の方から赤いかなと思っていたら最初、黒かったんでびっくりしました。寒いんですけど楽しさの方が勝っています」

さらに天体ショーは続きます。今回は、「皆既食」の最中に惑星である天王星が月の後ろに入る現象「天王星食」もみられました。

この瞬間、太陽、地球、月、そして天王星が宇宙空間で一直線に並んだ状態に。こうした「惑星食」がみられるのは1580年以来、実に442年ぶりの出来事です。

この“世紀の瞬間”に訪れた人たちは夢中でカメラのシャッターを押します。

(参加者)
「前はあまり興味が無かったんですけれど、最近子どもの影響で一緒に星も見るようになって。たぶん一生に1回しかないと思うので、みんなで見れてよかったです」
「(子どもたちが)星空を眺めて勉強するのは大人が見ていても幸せな気持ちにさせてくれるいい機会だったと思います」
(美ら星ガイド 宮地竹史さん)
「こんな素晴らしい皆既月食を見られるのは初めてです。今日は天候にも恵まれてよかったと思います」

次回、皆既月食の最中に「惑星食」がみられるのは、2344年7月26日。なんと322年後です。
(参加者)
「月が赤くなって天王星食も見られた。本当にその瞬間に自分が今ここにいる奇跡みたいなものを感じました。(Q.次回の皆既月食×天王星食は322年後ですが…)その時はたぶんお星さまになって宇宙から見ていると思います」

400年以上の時を超えた世紀の天体ショー。秋の夜空に幻想的に輝いた月の姿に、8日夜は大勢の人が魅了されました。
