今シーズン、サッカー・J3に参入した高知ユナイテッドSC。そのクラブを創設初期から見守り、期待を寄せているのが、サッカー元日本代表の金田喜稔さんだ。日本サッカー界のレジェンドが、“Jリーグ元年”を戦うクラブを斬ると同時に、クラブ・サポーターに“求められるモノ”について言及した。

【金田喜稔さん】(日本サッカー名蹴会・会長)
1958年生まれ、広島県府中町出身。 府中中学校時代にサッカーを始め、県立広島工業高校→中央大学→日産自動車で主力選手として活躍。中央大学2年時に日本代表に選出されると、1977年の日韓戦で代表初ゴールを決め、これが日本代表歴代最年少得点記録(19歳119日)となっている。大学卒業後は日産自動車サッカー部(現:横浜F・マリノス)で活躍し、国内タイトル7冠獲得に貢献したほか、国際Aマッチには58試合に出場した。現役引退後はサッカー解説者を務めるほか、サッカー教室を開催するなど普及活動にも力を入れていて、2010年から日本サッカー名蹴会の会長を務めている。

金田さんは2017年から毎年、テレビ高知で年に1度放送する、高知ユナイテッドSCホームゲーム中継の解説を務めている。金田さんが最初に解説を務めた2017年、クラブはJリーグから2つ下のカテゴリーである「四国サッカーリーグ」を戦い、ホームゲームのサポーターも「多くて30人いるかどうか」という状況だった。そこから2019年秋にJFL昇格を決め、2020~2024年のJFL5シーズンで着実に順位を上げ、2024年末に悲願のJ3参入を決めた。

そのJ3参入を決めた2024年末のJ3・JFL入れ替え戦を、金田さんは興奮気味に振り返る。

◆金田喜稔さん
「いや、もう、これは大げさじゃなくて、自分のことのようにうれしかったですね!JFL時代、その前の四国リーグ時代からも、チームに関わる社長さん、スタッフ、ピッチで戦う選手・監督・コーチに接点があったので…。そこまでの長い歴史を紡いできたいろんな方々の夢が、まさに『Jリーグ昇格』だったと思いますし、去年J3に昇格したときは、本当に自分のことのようにうれしかったですね!」

◆金田喜稔さん
「(去年12月の)入れ替え戦は、僕は仕事で地方に行っていたので“後追い”で観ましたが、すごく緊張感のあるゲームだったと思います。けれど、勝ってJ3昇格を決めたっていうことですから、素晴らしかったなと。『いよいよJに上がるのか』っていうね!」

J3参入を決めた2024年、高知はJFLで開幕から7連勝(JFL歴代4位タイ)し、シーズン前半は首位を独走していた。その開幕5連勝目を挙げた試合で金田さんは解説を務めたが、当時から、高知がJリーグ入りする“兆し”を感じ取っていたという。