警察や検察を語る男らからのウソの電話で、高知県内の80代の女性が、およそ1000万円をだまし取られていたことが分かりました。
高知県警によりますと、2024年11月、女性の固定電話に、名字を名指しして「通帳からお金を引こうとしている人がいる」と電話がありました。
電話は「タチバナ警部」を名乗る男に代わり、男は「口座のお金を守るため」などとして銀行口座の数や残高などの情報を聞き出したということです。さらにこの日以降、毎日午前と午後に、その日の予定や出来事などを電話で報告するよう指示されました。
その後、「ニシムラ検事」を名乗る男からも電話がかかるようになり、男らは「他人にお金を引き出されることを防ぐため」として、口座から現金を引き出すよう指示。その際、「窓口で声をかけられたら『家族の手術に使う』と言ってください」とも言われたということです。
女性は数日にかけて現金を引き出し、自宅に保管。ニシムラ検事を名乗る男から「紙幣の番号を確認する必要があるので回収に行く。お金を紙袋に入れて家の前に置いてください」などと言われた女性は、引き出したおよそ1000万円を玄関先に置き、だまし取られたということです。

高知県内では2025年、すでに8件の特殊詐欺事件でおよそ5000万円の被害が出ています。県警は「警察や検察がお金を取ることはない。怪しいと思ったら周りに相談をしてほしい」と呼びかけています。