サッカー・高知ユナイテッドSCが、7日の「J3・JFL入れ替え戦」で勝利し、「J3参入」を決めました!クラブ発足から8年、高知県勢初、そして悲願の「Jリーグクラブ誕生」が決まった、歴史的な一戦を振り返ります。

“決戦”の舞台は、アウェー。高知から遠く離れた神奈川県横浜市のニッパツ三ツ沢球技場には、大勢のユナイテッドサポーターの姿がありました!

(サポーター)
「(9月に)観客数1万人を超えたところを見て、『この大波の最後の行く末を見届けたい』と思って、横浜まで駆けつけました。『Jリーグ』という“脂”を掴んだ“戻りガツオ”になるような試合を見たいです」

(ディレクター)
「長く応援してきたと思いますが、こんな日が来ると信じていましたか?」

(サポーター)
「言って大丈夫ですか?思っていなかったです、実際は。『自分がおじいちゃんになるぐらいにはJFLに行けるんじゃないかな』と思っていたんですけど…(応援し始めて)5年でこういう景色が…。自分が見始めて5年ぐらいで(JFLに)上がって、この位置まで来たというのは、チームを残してくれたいろんな人たちの力もあると思うし、こういう結果でいろんな人がついてきてくれて、たくさんの人が応援してくれたから今があると思っているので、そこは感謝して、きょうは応援を楽しもうと思います」

入れ替え戦の対戦相手は、J3・19位のY.S.C.C.横浜。1日の第1戦は1ー1で引き分けていて、得失点差は“なし”。両クラブとも、「勝てばプロリーグのJ3、負ければアマチュアリーグのJFL」という、まさに“天王山”の最終=第2戦です。

ユナイテッドは、開始早々の前半7分にチャンスを掴みます。8番・高野裕維(たかの・ゆうい)が相手陣内・左サイドからのフリーキック。これを起点に、戻ってきたボールを15番・宇田光史朗(うだ・こうしろう)が右サイドへ送ります。3番・中田永一(なかた・えいいち)、2番・吉田知樹(よしだ・ともき)がつなぎ、キャプテン小林大智(こばやし・だいち)のクロス!

右サイドからの絶妙なクロスに頭で合わせたのは、新谷聖基(しんたに・まさき)!

第1戦で出番がなかった背番号9が、スタメン起用に応えて“Jリーグ”を大きく手繰り寄せる一撃を生み出し、ユナイテッドが1-0と先制します!しかし、その後は相手に攻め込まれます。前半32分には、この位置での横浜のフリーキック…クロスバーを直撃し、こぼれ球を相手に拾われてなおもピンチは続きます。そして、ゴール前でシュートを放たれますが、なんとか凌いで、リードしたまま前半を折り返します。

後半も、リードしながら、ユナイテッドはピンチの連続。相手の攻撃が幾度となく自陣内ゴール前で展開されますが、“体を張って”防ぎます。そして、隙を突いて持ち味のカウンターを仕掛けますが…枠を捉えきれません。このまま勝てば夢の「J3参入」。しかし、わずか1点のリードで続く横浜の“意地”の猛攻。シーズン中の首位争いでも味わった、「追われる者の苦しさ」。痺れる試合が動いたのは、終了間際のアディショナルタイムでした!自陣内から小林大智(こばやし・だいち)が左の空いたスペースへ。そして、10番・佐々木敦河(ささき・たいが)から、8番・高野裕維(たかの・ゆうい)。高野のスルーパスもつながり、29番・内田優晟(うちだ・ゆうせい)!

相手の運動量が落ちてきた隙を逃しませんでした!猛攻を耐え抜いた末に、ユナイテッドの“最大の持ち味”カウンターがここで決まり、「J参入」を大きく手繰り寄せます!そして…午後4時56分、“歓喜の瞬間”がついに訪れました!

「入れ替え戦」の最終=第2戦で、Y.S.C.C.横浜に2‐0で完勝し、「J3参入」が決定しました!

「高知初のJリーグクラブ誕生」を目指し、2016年に「高知UトラスターFC」と「アイゴッソ高知」が統合して誕生した、「高知ユナイテッドSC」。発足から8年、クラブの、サポーターの、そして県民の“悲願”「Jリーグ入り」をついに果たしました!

(高知ユナイテッドSC 山本志穂美 社長)
「待ちに待った『Jリーグ』が(高知に)誕生します。みなさんのおかげです、本当にありがとうございました。もう、うれしいです」

(前身の『アイゴッソ高知』から在籍 横竹翔 選手)
「率直な気持ちは『嬉しさ』しかないですね。実感はまだ無いんですけど、本当に、難しいゲームを、若い選手が多いんですけど、『たくましく・粘り強く戦ってくれたな』と思います。高知県にとっても、『歴史が動いたな』と。これからのことを考えると本当に楽しみで仕方ないですね」

(吉本岳史 監督)
「たくさんの方々に支えられて、高知県初のJリーグチームが誕生しました。単純に、その気持ちでいっぱいです。今シーズン、色んなものがありながら最終的に大き思い“炎”で終われたことは非常に良かったと思います。(試合終了の瞬間は)『痺れる試合をモノにしたな』というのと、『これまで苦しい思いをしてきた選手やサポーターに良い報告ができるな』と。みんなが泣くので僕は泣けなかったです」

Q.選手たちにはどんな声をかけた?

(吉本岳史 監督)
「『やったな』と『ありがとう』という感謝を伝えました。まだまだ、我々は成長しなきゃいけないチームなので、もっとたくさんの方に応援してほしいと思います。また、よろしくお願いします」