2021年2月、高知県足摺岬の沖合で、海上自衛隊の潜水艦と民間の貨物船が衝突した事故について、国の運輸安全委員会は2022年8月、「潜水艦が、近くを通る船の状況を十分把握せずに海面近くまで上昇したことが事故の原因と考えられる」とする報告書を公表しました。

2021年2月、足摺岬の沖合およそ50キロの海上で、海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が民間の貨物船「OCEAN(オーシャン)ARTEMIS(アルテミス)」に衝突し、そうりゅうの乗組員3人がけがをしました。

事故を起こした潜水艦“そうりゅう”2021年

事故後、国の運輸安全委員会が事故原因を調査。「潜水艦が、近くの船の状況を十分把握せずに海面近くまで上昇したことが原因と考えられる」とする報告書を公表しました。

報告書によりますと当時、潜水艦から見てほぼ同じ方向に、貨物船と別のコンテナ船の2隻がいましたが、音で周囲の状況を把握する探知機=「ソナー」で、遠くにいたコンテナ船のみを「船舶」として認識し、手前にいた貨物船の音を「船舶」として認識していなかったということです。

衝突で損傷した“そうりゅう”2021年