続いて、60年以上前から営業をする老舗焼鳥店、五味鳥(ごみどり)の創業者・中川武樹さん(89)にお話を伺いました。中川さんは、鉄板で挟んで鶏肉を焼く「今治焼鳥」と呼ばれる焼鳥のスタイルを地域に広めた、まさに今治焼鳥の父です。
焼鳥店創業者 中川武樹さん
「私が今治でせんざんきを始めたのは二代目で、スターという名前のお店が、今治市でせんざんきを提供した初代」
なんと「五味鳥」よりも前にせんざんきを提供していた「スター」というお店があったというのです。(現在は閉店している)
今治のせんざんきの元祖というお店「スター」の関係者に連絡をとることができました。
創業者のお孫さんによると、創業者の名前は杉山正雄さん。戦後まもなく「スター」の営業を始めたということです。

なぜせんざんきと呼ぶようになったのかを聞いてみると、当時働いていた中国人のコックさんが、鶏肉を油で揚げた料理を作り、中国語で「なんとかザンチー」と呼んでいたということ。杉山正雄さんが日本語に言い直して「せんざんき」となったというのです。
遂に、せんざんきの名前の由来にたどり着きました。

時代を越えて受け継がれてきた今治のせんざんきは、これからも愛されていくことでしょう。