“過去最高値”が続くたまごの卸売価格。たまごが欠かせないスイーツの専門店も、止まらない値上げに頭を抱えています。
愛媛県松山市勝山町にあるプリン専門店。
県産卵の素材を生かしたバニラプリンの他、松前町のイチゴをふんだんに使ったものや新宮の抹茶の風味を楽しめる商品など、7種類のプリンを販売しています。
いーよプリン店主・北川正人さん
「これ以上上がってくると厳しいところ」
JA全農たまごによりますと、愛媛にも適用される大阪の相場では、2月のたまごMサイズ1キロあたりの卸売価格が329円。
去年2月の2倍近くまで上がっています。
月に3000個から4000個の卵を仕入れているこちらの店でも、仕入れ価格はこの1年で1個あたり6円ほど上がっているといいます。
北川正人さん
「個数をたくさん使うので、数円上がっただけでも積み重ねていくとすごく大きくなってくるので非常に厳しい」
さらに、燃料費の高騰を背景にイチゴは去年の同じ時期と比べて1.5倍、資材の値上がりにも頭を悩ませています。
北川正人さん
「全ての材料において価格がどんどん上がってきている状態なので、本心を言うと値上げしたいというのはあるんですけど」
店では去年4月、一部を除き価格を10円~20円引き上げたこともあり、さらなる値上げは考えていないと言います。
北川正人さん
「それはもう…安くなってくれる事に期待するしかないけど、大変なのは養鶏場も同じなので、そこはしっかり理解して自分たちが出来る事をしっかりやっていくことが大事かなと思う」
一方、この高値は養鶏農家にとっても打撃となっています。
愛媛県今治市にある冨田養鶏。
県内のスーパーなどに卵を出荷していますが、エサ代の高騰分が価格に反映できていないといいます。
冨田養鶏・冨田泰広さん
「エサの値段が2倍、3倍になったから日本のたまごが2倍、3倍になっているかというとなっていない状態なので、経営的にはかなり苦しいというのが本音」
ウクライナ情勢に加え国内では鳥インフルエンザが広がっていて、冨田さんは卵を取り巻く状況にしばらくは明るい展望が見いだせないと嘆きます。
冨田養鶏・冨田泰広さん
「今年いっぱい、だいたい1年ぐらいは高止まりでいくんじゃないかなと。もっと安心して農業、畜産ができるような政策をしてもらわないと厳しい」