西日本豪雨で被災した中小企業を対象にした愛媛県の補助金6700万円余りをだまし取った疑いで、西予市にある紙加工品メーカーの元社長ら3人が逮捕されました。
逮捕されたのは西予市宇和町皆田にある宇和特紙の元社長、大西和人容疑者ら3人です。
調べによりますと3人は、2019年8月から2回にわたり、西日本豪雨で被災した中小企業などを支援する県の補助金6600万円余りをだまし取った疑いが持たれています。
宇和特紙は当時、ウェットティッシュなどを製造していて、県によりますと、補助金の申請書に記載した、浸水被害を受けた機械の購入や修理は行われておらず、契約書や請求書を偽装していたということです。
宇和特紙の元従業員は、およそ10年前、大西容疑者が社長に就任してから経営に緊張感が失われたと話します。
(元従業員)
「自分で仕事ができるような社長ではなく、他人任せの部分が大きかったです」
「(社長が大西容疑者に代わって)社内的には張りつめていたものがだらけてきた部分は感じられた」
「来る時が来たなと思います」
警察によりますと、宇和特紙についておととし、不正経理の情報が寄せられ、決算書類などを調べる中で補助金の不正受給が明らかになったということです。
県は去年8月、警察に被害届を提出し、宇和特紙に対し、補助金の返還を命じましたが応じていないということです。
警察は、捜査に支障があるとして3人の認否を明らかにしていません。