愛媛県は、独自に計算した推計人口を公表しました。県内の人口は今年度中に130万人を割り、40年後には80万人を割り込む見通しです。

愛媛県内の経済団体、大学の関係者らが出席して県庁で開催された人口減少問題について考える会議では、2020年の国勢調査で133万4841人だった県内の人口が、今年度中に130万人を下回る可能性があることが示されました。

県独自の計算では、2060年には県全体で2020年より41.3％減少し、78万3547人となる試算が示されました。
県庁所在地の松山市も約51万人から36万人に減る見通しです。

地域ごとでは東予が42.8％減少、中予が31.4％減少、南予に至っては65.2％減少し、2060年には地域全体で約8万人になるという試算が示されました。

市町別では、伊方町が77％減少し、40年後には2000人を切る試算。
宇和島市は64％減少し2万5000人余りになる推計となっています。
このほか、内子町・大洲市・八幡浜市・西予市・鬼北町・松野町・愛南町もすべて60％以上減少する試算となっています。

減少率が小さい市町は、松前町が25.7％減少、東温市が28.6％減少、松山市が29.4％減少となっています。

では40年後の年齢構成はどうなっているのか。
14歳までの子どもが占める割合は11％から8％に減り、生産年齢人口である15～64歳も55％から47％に減少。その一方で、65歳以上の高齢者が占める割合は10％以上増え44％になる計算です。

少子化がこれまでにどれほど進んできたのかについて、県内の出生数＝1年間で産まれる赤ちゃんの数をまとめました。
1930年は約3万8000人、その後1950年ごろの第一次ベビーブームをピークに右肩下がりとなっていて、2016年に初めて1万人を下回りました。
そして2020年は8102人でした。

中村時広知事は会議で「衝撃的な分析・数字だがこれは何もしなかったらこうなる可能性があるという数字なので今から手立てをすれば大きく変わる。人口減少を好転させる目標に向かって全力を尽くしていきたい」と述べました。

行政だけでなく企業や団体も人口減少にどう向き合うのか、重い課題が突き付けられています。