■廃校の危機乗り越えるも…突如示された島の高校“統合案”

7月12日に開かれた県教育委員会の臨時会。
(愛媛県教委の担当者)
伯方分校・大三島分校を統合してしまなみ海洋高校仮称を設置します

現在の55校を44校に減らす県立高校の再編案。少子化によって生徒数が減少する一方、この30年で学校は2校減に留まっていて、より多くの仲間と切磋琢磨できる教育環境を実現するためとしています。
しかし委員からは…
(委員)
地域の人々のネガティブな要素にならないように
(田所竜二教育長)
そこは地元の市町村の方たちと協議しながらより良い方向を見つけたい

(分校生)
統合は「え?」みたいなとまどいとか困惑とかが…名前がなくなることで母校がなくなるのはさみしい
(分校生)
統合されると人数が増えるのでちょっと違う形で島のこの学校が継続されるのは良いことかなと
2018年、大三島分校は廃校の危機に直面していました。これまで県教委は新入生が3年連続で30人以下の場合、原則募集を停止するという基準を示していました。この時、大三島分校は2年連続で基準を下回っていたのです。その分校を危機から救おうと立ち上がったのが地域の住民たちでした。

(愛さん)
私たちも地域にとっても子どもは宝で活力
加島さんを含め、島民たちは県外から入学してくる生徒のために、下宿先や食事の提供などをしてきました。
それから4年。加島さんの店では…

いろいろ相談にのってもらったので合格(進学)の報告に来ました
(加島さん夫婦)
おめでとう!
加島さんの店は分校生にとって、憩いの場にもなっています。
(誠也さん)
女の子が3人ほど下宿をしています
(愛さん)
人が集まる家にしたかった

(誠也さん)
下宿の分校生から「母校なくなるの?」と言われ、結構それがショックで
(愛さん)
校歌は残らないのかなとか、どういう風に進めていかれるのかなと
加島さん夫婦は、仲間と一緒に学校や生徒をサポートするグループを立ち上げ、存続に向けた活動を続けてきました。
(誠也さん)
3年間31人をきったら廃校ということろにすごく力を入れてて、僕らはそれを達成することがすごく意味があった。それに向かっていっていたはずなのに、それがいきなりどうでもいいから。僕らが今までやってきたことの評価が全く伝わらないのかというのが正直な気持ちですね
(愛さん)
降格の基準はあるのに、昇格の基準はない。大三島高校に戻したいという気持ちでやってきた